海外の分散型取引所(DEX)「Uniswap(ユニスワップ)」について解説します
仮想通貨の取引所には、従来の銀行や証券会社のように中央管理者が存在する中央集権型取引所(CEX)と、中央管理者が不要の分散型取引所(DEX)があります。
今回は分散型取引所(DEX)として有名な「Uniswap(ユニスワップ)」について紹介していきたいと思います。
こんな方に向けてこの記事では
これらについて初心者の方にもわかりやすく説明していきます。
Uniswap(ユニスワップ)とは
Uniswap(ユニスワップ)はスマートコントラクトによって自動で仮想通貨の交換を実現する分散型取引所(DEX)です。
分散型取引所(DEX)は中央管理者を必要とせず、24時間取引を行うことができます。
Uniswapは1500種類以上の仮想通貨を取り扱っており、本人確認を行わなくても取引を開始することがでたり、手数料が安いことから、世界中で多くの仮想通貨ユーザーが利用しています。
当初はイーサリアムブロックチェーン上で構成されるDe-fiアプリとしてリリースされましたが、現在は以下のブロックチェーン上でも稼働しています。
Uniswapの歴史
Uniswapは2018年11月にシーメンス社の元機械エンジニアであるHayden Adams氏によって設立され、イーサリアム上初のDe-Fiアプリケーションとしてリリースされました。
その後、2020年8月にバージョンアップしたUniswap(V2)が、2021年5月にはUniswap(V3)がローンチされました。
現在、Uniswapは分散型金融(DeFi)プロトコルとして、インターネットにアクセスできる人なら誰でも世界中で使用できますが、国によってはアクセスを制限されているところもあります。
Uniswap(ユニスワップ)の特徴
Uniswapには次のような特徴があります。
AMA型の分散型取引所
UniswapはAMA(自動マーケットメーカー)という仕組みの分散型取引所です。
AMA(自動マーケとメーカー)では、トレーダー同士が通貨のやり取りをするのではなく、スマートコントラクト(プログラム)によって取引所内の仮想通貨が預けられているプールと直接通貨のやり取りすることで、中央管理者を必要とせず、円滑な取引を実現しています。
どんな仮想通貨でも上場させることができる
一般的な仮想通貨取引所では、ユーザーが安全に仮想通貨を扱えるように、取引所に通貨を上場させるには審査が必要です。
一方で、Uniswapでは仮想通貨を上場させるための審査がなく、どんな仮想通貨でも上場させることができます。
普通の取引所では上場できないようなマイナーな仮想通貨も上場して取り扱うことができるため、小規模なプロジェクトが発行している通貨などでよく使われています。
ウォレットを接続することで誰でも利用できる
従来の中央集権型取引所(CEX)では、利用するために口座開設や本人確認が必要ですが、Uniswapではサイトにウォレットを接続するだけで誰でも利用することができます。
Uniswapでは仮想通貨を管理するためのウォレットは用意されておらず、MetamaskやSafePalなどのソフトウェアウォレットを用意する必要があります。
自分で管理できるウォレットに保管できるためハッキングのリスクは少ないといった利点があります。
流動性マイニングによりガバナンストークンUNIを得られる
分散型取引所(DEX)では、ユーザーが取引所内に仮想通貨をプールすることで資金の流動性を確保しています。
流動性マイニングとは、仮想通貨を預けて流動性を提供する対価として仮想通貨を得ることであり、Uniswapではガバナンストークン$UNIを報酬として得ることができます。
Uniswap(ユニスワップ)のメリット
Uniswapには次のようなメリットがあります。
低コストで仮想通貨のスワップができる
Uniswapは中央管理者がおらず、営利目的のサービスではありません。
そのため、一般的な仮想通貨取引所と比べて低コストで仮想通貨のスワップができます。
マイナーコインが扱える
Uniswapでは上場審査が不要であることから、膨大な種類の仮想通貨が流通しており、一般的な取引所では扱っていないマイナーコインにもスワップすることができます。
まだ注目されていないお宝コインなどにも出会えるかもしれません。
流動性マイニングで稼ぐことができる
Uniswapに仮想通貨を預ける(プールする)ことで、流動性を提供した対価として利息とUNIを稼ぐことができます。
流動性マイニングは一般的な銀行預金と比べて遥かに高利回りであり、仮想通貨を稼ぐ手段として非常に人気があります。
Uniswap(ユニスワップ)のデメリット
Uniswapにはデメリットとして以下のことが挙げられます。
詐欺コインも上場できてしまう
Uniswapは上場審査無しに誰でも仮想通貨を上場させることができるため、なかには最初から詐欺目的で作られた詐欺コイン(スキャムコイン)も上場できてしまいます。
実際にある仮想通貨に名前を似せてユーザーに誤って交換させるようなスキャムコインなどもあり、仮想通貨をスワップする時には事前のチェックなど注意が必要です。
日本の法律で認可されていない
日本国内の仮想通貨取引所は金融庁に仮想通貨交換業者の認可を受けて運営されており、利用者保護の仕組みを設けておくことが義務付けられています。
一方で、Uniswapは中央管理者がいない分散型取引所であり、日本国内の法律で認可されておらず、利用者保護の仕組みもありません。
そのため、詐欺やハッキングがあったとしても全て自己責任となります。
ハッキングにより資産が流出するリスクがある
Uniswapでは、個人がウォレットで資産を管理しているのでハッキングのリスクは少ないと言われていますが、ハッキングのリスクはゼロというわけではありません。
実際に2020年4月にはハッキングによりUniswap内の約27億円相当の仮想通貨が流出するといった事件が発生しています。
De-fiにおいてハッキングは今後の課題点とされており、取扱いについては十分な注意が必要です。
Uniswap(ユニスワップ)の独自トークン「UNI」について
Uniswapは独自のガバナンストークン「UNI」を発行しています。
UniswapはDAO(自律分散組織)として運営されており、UNIの保有者はUniswapプロジェクトの様々な方針を決めるための投票権としても利用されます。
UNIはUniswap内でスワップする以外にも、Binance(バイナンス)やCoinbaseなど海外取引所に上場しており、他の仮想通貨と交換することができます。
また、Uniswapの流動性マイニングによって報酬として得ることもできます。
Uniswap(ユニスワップ)を使うためには
Uniswapを使うためにはMetamask(メタマスク)等のソフトウェアウォレットに仮想通貨を送金して、Uniswapのサイトに接続する必要があります。
国内取引所で口座開設をする
Uniswapは法定通貨の取扱いをしていないため、まずは国内の仮想通貨取引所の口座開設をして仮想通貨を購入する必要があります。
国内取引所を持っていない方は初心者でもわかりやすいコインチェックがおすすめです。
国内取引所でETHを購入する
口座開設が完了したら仮想通貨を購入します。
ウォレットに送金する仮想通貨はどの通貨でも問題ないのですが、Uniswapではガス代や手数料としてETHが使われるためETHを購入するのがオススメです。
Metamaskのアカウント作成
Uniswapを使うためにはソフトウェアウォレットの接続が必要になります。
ウォレットはイーサリアムブロックチェーンに対応しているMetamask(メタマスク)がオススメです。
ETHをMetamaskに送金
Metamaskのアカウント作成ができたら、国内取引所からETHを入金します。
Uniswapにアクセスしウォレットを接続
Uniswapアプリにアクセスしウォレットを接続します。
Uniswap内でトークンをスワップ
Uniswapアプリ内のこちらからトークンをスワップすることができます。
スワップしたトークンは接続したウォレットに反映されます。
Uniswap(ユニスワップ)とは まとめ
この記事では分散型取引所(DEX)のUniswap(ユニスワップ)について紹介しました。
Uniswapは仮想通貨の上場審査がないことから、一般的な取引所で取り扱っていないようなマイナーコインも交換できることができます。また、仮想通貨を預けることで利息やUNIを得ることができる流動性マイニングなども利用可能です。
一方で、詐欺目的で作られたスキャムコインなども混在しているため取り扱う際は注意しましょう。
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